私はアメリカに引っ越してきて以来、コインランドリー、アパートの共同ランドリー、自宅の洗濯機と、あらゆる洗濯事情を経験しています。今回は、ロサンゼルスの洗濯事情についてのお話しです。
LAで洗濯機がないのは当たり前?
私が渡米したのは10年以上前ですが、その時に驚いたのは、夫のアパートに洗濯機がなかったことです。「一体、どうやって生活していけばいいの?」という疑問と不安でいっぱいに。お外に洗濯物を干してはいけないらしい、ということは知っていたのですが、まさか洗濯機すらないとは。
実は、アメリカの都市部、特にアパート暮らしの場合、家に洗濯機がないのは別に珍しいことではなかったのです。では、皆さんどうやって洗濯しているのかというと、アパートにある共同のランドリー、またはコインランドリーです。
近くのコインランドリーで洗濯する日々
最初に暮らした場所は、アパートというより、一軒家の裏庭に立つ小さなお家だったので、共同の洗濯機もない状態。どうやら、排水の関係で、洗濯機の設置ができないらしいのです。そこから、せっせとコインランドリーに通う日々が始まりました。
コインランドリーで長時間待つのもしんどいので、一旦家に帰って、洗濯ができあがったころにまた行って、乾燥にかけて、また帰って…。この3往復が地味につらい。
うっかり行くのが遅くなると、かごに自分の洗濯物が出されていることも。他人に触られるのはあまり気持ちのいいものではないし、靴下が片方なくなるのも日常茶飯事でした。すでにその洗濯機(乾燥機)には、他の人の物が入っていて、探しようがない。ああ、自分の洗濯機が恋しい。
共同ランドリーの値段はけっこう高い
次に引っ越したアパートでは、8世帯で利用する共同のランドリーがありました。ちょっと楽になった!金額は洗濯が2ドル、乾燥が1ドル25セントでした。25セント硬貨しか使えないので、常に銀行で25セントのロール(10ドル分)をいくつも仕入れていました。
当時は、子供が小さかったこともあり、硬貨が飛ぶようになくなり、毎月100ドル以上使っていたと思います。私の隣人は「これは高い!」と言って、あえて近所のコインランドリーを使っていました。
共同ランドリーで苦労したこと
不便だったのは、誰かが使っていると、なかなかランドリーが使えないことです。また、敷地内とは言え、家の外に出ることになるので、パジャマというわけにもいかず、着替えが必要。特に雨の日は、いちいち傘をさして出るのがひと苦労でした。
さらに、娘が後追いしていたころは、「いっしょにいく!」といってきかなかったので、靴やサンダルをわざわざはかせなければならず、とにかく洗濯が大変。
ある日、ランドリールームに何者かが寝ていた形跡を発見!新聞紙が引いてあり、小銭などがバラバラと散らばっていて、若干の異臭すら漂っているではないか。ドアを閉め、見なかったことに…するわけにもいかず、怖かったので大家さんにお伝えしました。ホームレスにとっては、屋根付きで居心地が良かったのかも。
お掃除・洗濯を自分でしない人も多数
洗濯機がデフォルトな日本人の感覚からすると、こうした洗濯事情は、あまりにも不便に思えます。ですが、こちらでは、経済的に余裕がある場合は、自分で掃除や洗濯をしない人が多いのです。
私の住んでいたアパートでも、我が家以外は、ほぼ皆クリーニングレディが来て、掃除と洗濯をしていました。そんなわけで、家の中に洗濯機がない方が、省スペースにもなり、理にかなっているのかもしれません。
私は、他の方に家の中を掃除してもらうことになじみがなく、とりあえず自分でやっていました。夫が生まれ育ったお家では、お掃除の方に来ていただいたこともあったそうです。でも、いろいろな物を盗まれてしまうなど、トラブルが相次いで、結局自分たちでやるようになったとのこと。こういうことはよくあるらしく、信頼できるクリーニングレディは引っ張りだこだそうです。
洗濯機と乾燥機のある幸せ
現在は、お家に洗濯機と乾燥機があります。「コインを入れなくてもいい!」「順番を待たずにいつでも洗濯ができる!」―ああ、何たる幸せ。この日本では当たり前だった日常に、日々感謝しています。
ちなみに、こちらでは洗濯物を干している姿を一切見かけません。一度だけ、イタリア人の友達が、「私は乾燥機が好きではないの」と言って、裏庭に干しているのを見かけたことがありますが、これは例外のようです。また、都市部を離れると事情も違うのかもしれません。
最近は乾燥機の利用に慣れてしまって、日本に一時帰国すると、洗濯物を干す作業がおっくうに感じることも。一度便利なものを使ってしまうと、なかなか元に戻れないものですね。反省です。
2010年よりサンタモニカ在住、仕事はフリーランスです。アメリカ人の夫、小学生と中学生の子供の4人家族です。こちらで生活するなかで感じた日本との違いや、子育てについてのリアルな情報などをお届けしたいと思っています。
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